姿勢評価方法及びトレーニングとケアの方法の一部
正しく姿勢の評価することで、正しいトレーニング方法とケアの方法を提案できるようになります。
なぜ大切なのか一部を引用して説明します。
目次
姿勢とは
姿勢は、持って生まれた骨格や生活様式によって形成されます。
その中で、現代人に多く見られるものは、「巻き肩」「猫背」「反り腰」などといった不良姿勢です。
生活様式によって形成された姿勢の多くは、筋バランスの観点で説明ができることが多いです。
今回の記事では、矢状面(側面)から見た姿勢評価を行い、どんなトレーニングやケアが必要で、どんなトレーニングやケアをしてしまうとリスクがあるのかを一部説明します。
NINEがどのようにトレーニングプログラムをお客様のために作成しているかということにも繋がります。
※補足※
姿勢といっても下記のように、様々な状況から現状のお身体の課題を探っていく必要があります。
今回は立位の静的姿勢からどのようなトレーニングプログラムが適切か判断していきます。
⇒起床時姿勢
⇒⇒立位姿勢(立っている姿勢)
⇒⇒⇒静的姿勢(立って止まっている姿勢)
⇒⇒⇒動的姿勢(立って動いている姿勢)
⇒⇒座位姿勢(座っている姿勢)
⇒睡眠時姿勢
⇒⇒仰臥位姿勢
⇒⇒横臥位姿勢
⇒⇒伏臥位姿勢
姿勢の分類(矢状面から静的姿勢の観察)
下の画像は側面からみた姿勢です。
理想的姿勢
矢状面(側面)から見た理想的姿勢は、重心線が乳様突起ー肩峰ー大腿骨大転子ー膝蓋骨後面ー踵立法関節を通過しています。
しかし、現代人で理想姿勢の方は、ほとんどいません。
デスクワーク、スマホの利用で頭部が前方にスライドしている方や妊娠やヒールを履いていることで反り腰の方、老化による筋力低下で猫背の方など原因は様々です。
理想重心線から重心線がどのようびズレがでているか評価をします。
骨盤から姿勢評価を行う
図の姿勢の中で、どれに該当するのかを評価することが、トレーナーとして大切な仕事になります。
正直、トレーニング指導は難しくありません。
正しく評価できれば、トレーニングする部位、ケアする部位が自動的にわかるからです。
骨盤の骨格評価を行います。
前傾30°くらいがニュートラル(理想姿勢)で高くなれば前傾、低くなれば後傾。
【静的検査】
上前腸骨棘(ASIS)と上後腸骨棘(PSIS)の高低差を確認し、骨盤の前後傾の判断をします。
ASISとPSISを結んだ直線と水平線の交わった角度をなす角といい、なす角が3横指以上=過前傾、2~3横指=正常、2横指未満=後傾と判断します。
股関節から姿勢評価を行う
股関節の骨格評価を行います。
【動的検査】
PSIS前屈テスト・・・PSISを触りながら前屈をする。PSISは前方に動くことが正常ですが、前方への移動が少ない側は股関節伸展筋群の拘縮を疑う。
ASIS後屈テスト・・・ASISを触りながら後屈する。ASISは前方に動くことが正常ですが、前方への移動が少ない側は股関節屈筋群の拘縮を疑う。
例:カイホロードシス(胸椎後弯・腰椎前弯)とスウェイバックの違い
上記の方法等により、上の図に当てはまる姿勢を評価する。
その中で例としてカイホロードシスとスウェイバックの姿勢の違いを関節ごとに見ていきましょう。
カ)=カイホロードシス、ス)=スウェイバック
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カ)頭部:前方変位(前に頭が出ている状態)
ス)頭部:前方変位
カ)頸部:過伸展(首は反っている)
ス)頸部:軽度伸展
カ)胸椎:過後弯
ス)胸椎:上部後弯、下部平坦
カ)腰椎:過前弯(腰が反っている)
ス)腰椎:平坦
カ)骨盤:過前傾(腰が反っている)
ス)骨盤:中間位・後傾・前傾
カ)股関節:屈曲
ス)股関節:伸展
カ)膝関節:軽度伸展
ス)膝関節:過伸展
カ)足関節:底屈
ス)足関節:中間位
股関節から見るトレーニング方法とケア方法の違い
例えば、青色に塗ったところからトレーニングプログラムを考えてみましょう。
カイホロードシスの場合は、股関節が屈曲している姿勢となります。
【股関節が屈曲している場合】
弱くなっている(伸長している)筋肉=トレーニングするべき筋肉
⇒ハムストリングスなど
短縮している(強くなっている)筋肉=ケアするべき筋肉
⇒腸腰筋、大腿四頭筋など
スウェイバックの場合は、股関節が伸展している姿勢となります。
【股関節が伸展している場合】
弱くなっている(伸長している)筋肉=トレーニングするべき筋肉
⇒腸腰筋、大腿四頭筋など
短縮している(強くなっている)筋肉=ケアするべき筋肉
⇒ハムストリングスなど
これらからわかるように姿勢の違いよって真逆のトレーニングとケアが必要になります!
例えば、カイホロードシスの方が大腿四頭筋を使うようなトレーニングを行うと更なる姿勢悪化をしたり、怪我につながったり、太くしたくない前腿がさらに発達したり、逆効果になる場合があります。
スクワットのような多関節の種目は、往々にして強い筋肉ほど使いやすい筋肉のため、どんどん悪い方向にいってしまう場合が多いです。
トレーニングプログラムがパーソナルに設定されるべき理由はここにあります。
例:カイホロードシスの方におけるバックスクワットのリスク
例えばカイホロードシスの方がスクワットをする場合の注意点はどんなことが挙げられるのでしょうか。
①腹筋群の弱さによる腰痛リスク:脊柱起立筋腰部が短縮していて、腹筋群の弱化があるため、動作する際に過度に腰部でバーベルを支える可能性があります。
対処方法例:腹圧を入れるトレーニングを行う。
②大小胸筋の短縮による肩のフロントの怪我のリスク:肩甲骨が開いている状態(外転)で胸が短縮(硬くなっている)ので、胸が開きにくく、肩に負担がかかる場合があります。
対処方法例:大小胸筋を緩めてから行う。
③大腿四頭筋の短縮による太ももの肥大のリスク:女性の方で前腿の太さに悩んでいる方が多いです。そう言う方に限って、どんどん痩せるためと思ってスクワットをして、肥大させている方が多いです。やればやるほど太くなってしまいます。
対処方法例:大腿四頭筋や腸腰筋のストレッチを行う。
上記のリスクを排除してスクワットをどのように行うのか指導できるパーソナルトレーナーがNINEではトレーナーをしております。
姿勢評価は効率の良いトレーニングプログラムを作るために必要
正しい姿勢評価は、効率の良いトレーニングプログラムを作成することができ、短期間でお身体を変える手助けをします。
今回は股関節のみしか見てないですが、さまざまな姿勢評価からトレーニングプログラムを作成することにより、「ぽっこりお腹の改善」「巻き肩の改善」「腰痛の改善」「肩こりの改善」など、ボディメイクの領域から超えた領域の悩みまでアプローチできます。
今回紹介したものは、ほんの一部です。
今回は矢状面(側面)からのアプローチでしたが、前額面(正面)からのアプローチ、水平面(上下)からのアプローチが必要です。
また動いている姿勢、座っている時の姿勢や寝ている時の姿勢などからのアプローチもあります。
NINEは、トレーニングをするだけなら、パーソナルトレーナーはいらないと思っています。
上記のような個々に合わせた課題からトレーニングプログラムを組むことが我々の仕事であると思います。
ぜひ、本物のパーソナルトレーニングを受けに来てください。