モーターコントロールとボディメイクの関係性と向上方法

こんにちは。

パーソナルトレーニングジムNINE代表の原田です。

今回の内容は、「モーターコントロールとボディメイクの関係性と向上方法」です。

自身の身体を自分の思い通りに動かす。

この難しさをトレーニングをすると感じる人は多いのではないでしょうか。

「YouTubeを見て真似をしているけど、同じフォームでできない。」

「トレーナーやインストラクターの説明通りに身体を動かせない」

身体制御に関わる機能が衰えるとこんなことが起きてしまいます。

今回のブログでは、モーターコントロールという観点からトレーニング(ボディメイク)を再構築していきましょう。

一般の方は、【ダイエット&ボディメイクにおけるモーターコントロールの重要性】から読んでください。

モーターコントロールとは?

**モーターコントロール(Motor Control)**とは、生物が運動を調整・制御する仕組みを指します。主に脳、脊髄、末梢神経、筋肉が関与し、適切な動作を実現するためにフィードバックや予測制御を行います。

モーターコントロールの要素

1. 感覚情報の統合

• 視覚、前庭(バランス)、体性感覚(触覚・固有感覚)などの情報を統合し、適切な運動を計画する。

2. 中枢神経系の役割

• 大脳皮質(運動野):意図的な運動の指令を出す。

• 小脳:運動の調整・誤差補正を行う。

• 大脳基底核:動作の開始やスムーズな運動を助ける。

• 脊髄:反射や自動的な運動制御を担う。

3. 運動のフィードバックとフィードフォワード制御

• フィードバック制御:運動中に誤差を検知し、修正する(例:歩行時にバランスを取る)。

• フィードフォワード制御:事前に運動を計画し、スムーズに実行する(例:ボールを投げる)。

モーターコントロールの理論

1. 階層理論(Hierarchical Theory)

• 運動は脳の高次中枢から順に下位中枢へと指令が伝わるとする考え方。

2. 動的システム理論(Dynamic Systems Theory)

• 運動は環境や身体の状態によって変化し、自己組織化されるとする理論。

3. 運動プログラム理論(Motor Program Theory)

• 脳内に記憶された運動パターン(運動プログラム)を使って動作を制御する。

モーターコントロールの応用分野

• リハビリテーション(脳卒中や神経疾患後の運動再学習)

• スポーツトレーニング(動作の最適化やパフォーマンス向上)

• ロボット工学・義肢開発(生体に近い運動制御の実現)

• 人間工学(疲れにくい動作設計や機器の操作性向上)

ダイエット&ボディメイクにおけるモーターコントロールの重要性

ダイエットやボディメイクでは「どの筋肉をどう使うか」が重要です。モーターコントロールを高めることで、狙った部位にしっかり刺激を入れ、ケガを防ぎながら効率よくトレーニングを進めることができます。

1. 適切なフォームで効率よく筋肉を使える

→ 正しい動作を習得し、ターゲットの筋肉にしっかり刺激を入れる

モーターコントロールが低いと、スクワットでお尻に効かせるつもりが太ももの前に負担がかかるなど、「狙った筋肉をうまく使えない」ことが起こります。

→ 正しい動作を身につけることで、無駄な力を使わず、効率的にトレーニングできる

☑︎例:ヒップアップを狙う場合

• モーターコントロールが低い → 太ももばかり使ってしまい、お尻に効かない

• モーターコントロールが高い → お尻の筋肉を意識して使えるようになり、理想のヒップラインを作れる


2. ケガのリスクを減らせる

→ 正しい動きで関節や筋肉への負担を最小限にする

誤ったフォームでトレーニングすると、膝や腰を痛めたり、必要のない筋肉に負担がかかります。

モーターコントロールを高めることで、関節や筋肉を適切に動かし、ケガを防ぎながら安全にトレーニングできます。

☑︎例:スクワット時の膝の動き

• モーターコントロールが低い → 膝が内側に入ってしまい、膝関節に負担がかかる

• モーターコントロールが高い → 膝の位置を適切にコントロールし、ケガを防げる


3. 代謝が上がり、ダイエット効果が高まる

→ 体幹を意識しながら動くことで、全身の筋肉を使いやすくなる

モーターコントロールが向上すると、体の連動性が高まり、大きな筋肉を効果的に使えるようになります。

→ エネルギー消費が増え、基礎代謝が上がり、痩せやすい体に

☑︎例:スクワットやデッドリフトなどのコンパウンド種目

• モーターコントロールが低い → 狙った筋肉に効かず、消費カロリーも少ない

• モーターコントロールが高い → 複数の筋肉を連動させて動けるので、消費エネルギーが増える


4. 姿勢改善&美しいボディライン作り

→ 体の歪みを改善し、正しい姿勢をキープできる

モーターコントロールが低いと、猫背や反り腰などの悪い姿勢のままトレーニングをしてしまい、体のラインが崩れる原因に。

→ 正しい姿勢を維持しながら運動できることで、バランスの取れた美しいボディラインを作れる

☑︎例:お腹を引き締めたい場合

• モーターコントロールが低い → 腰が反ってしまい、腹筋ではなく腰に負担がかかる

• モーターコントロールが高い → 正しい骨盤の位置で腹筋にしっかり刺激が入る


5. 日常動作の質が向上し、消費カロリーUP

→ 無意識のうちに体の使い方が改善され、普段の動きも変わる

モーターコントロールが高まると、歩く・座る・立ち上がるといった日常動作でも正しく筋肉を使えるようになります。

→ これにより、無駄な負担を減らしながらカロリー消費を増やせる

☑︎例:歩き方

• モーターコントロールが低い → 太ももだけで歩き、お尻や体幹をうまく使えない

• モーターコントロールが高い → お尻や体幹を意識して歩けるので、自然と引き締まる


まとめ

☑︎モーターコントロールを高めることで…

1. 狙った筋肉にしっかり効かせられる

2. ケガのリスクを減らせる

3. 代謝が上がり、ダイエット効果が高まる

4. 姿勢が整い、美しいボディラインを作れる

5. 日常生活の動きも改善され、消費カロリーが増える

ダイエットやボディメイクでは「ただ運動する」のではなく、「どの筋肉をどう使うか」意識しながらトレーニングすることが超重要です!

では、具体的なトレーニング方法を知りましょう!

モーターコントロールを高めるトレーニング方法

モーターコントロールを高めるためには、狙った筋肉を正しく使う意識を持ち、体の動きをコントロールする能力を鍛えることが重要です。以下のトレーニングを取り入れることで、トレーニング効果を最大化し、美しいボディラインを作れます。


① 体幹・姿勢を整える基礎トレーニング

まずは体幹を安定させ、正しい姿勢を意識できるようにします。これにより、他のトレーニングの精度が向上します。

1. デッドバグ(腹筋&体幹のコントロール強化)

☑︎やり方

1. 仰向けになり、両手と両膝を90度に曲げる。

2. 片腕を伸ばしながら反対側の足をゆっくり下げる(腰が浮かないように注意)。

3. 交互に10〜15回×3セット。

☑︎ポイント

• 腰を浮かせず、腹筋をしっかり意識する。

• ゆっくり動かし、正確な動作を意識。


2. 四つ這いバードドッグ(体幹&お尻の意識向上)

☑︎やり方

1. 四つ這いになり、背中をフラットにする。

2. 右手と左足をゆっくり伸ばす(腰が反らないよう注意)。

3. ゆっくり元の位置に戻し、左右交互に10回×3セット。

☑︎ポイント

• 体幹を意識して、ぐらつかないようにする。

• お尻の筋肉をしっかり使う感覚を掴む。


② 狙った筋肉をしっかり使うトレーニング

次に、ターゲットの筋肉をしっかり使う感覚を鍛えることで、ボディメイクの効果を高めます。

3. ヒップリフト(グルートブリッジ)(お尻にしっかり効かせる)

☑︎やり方

1. 仰向けになり、膝を立てる(かかとはお尻に近づける)。

2. かかとを押し込むようにしてお尻を持ち上げる(肩〜膝が一直線になるように)。

3. ゆっくり下ろし、10〜15回×3セット。

☑︎ポイント

• 太ももではなく、お尻を意識して持ち上げる。

• お尻を締める感覚をしっかり掴む。


4. スプリットスクワット(片足スクワット)(脚の筋肉をバランスよく鍛える)

☑︎やり方

1. 片足を前に出し、後ろ足を支えにする。

2. ゆっくり腰を落とし、前脚の太ももが床と平行になるまで下げる。

3. ゆっくり戻り、10回×3セット(左右)。

☑︎ポイント

• 膝が内側に入らないようにする。

• お尻と太ももの裏を意識する。


5. 腹筋ローリング(またはプランク)(体幹を強化し、お腹を引き締める)

☑︎やり方

1. 腹筋ローラーを使い、膝をついた状態で前に転がす。

2. 腰を反らさずに、ゆっくり元の位置に戻る。

3. 5〜10回×3セット。

☑︎ポイント

• 腹筋の力で戻る意識を持つ。

• できない場合は、プランク(30秒×3セット)でもOK。


③ 動きの精度を高めるトレーニング

最後に、実際の動作でモーターコントロールを発揮できるように、動きの質を高める練習をします。

6. ラダードリル(フットワーク&リズム強化)

☑︎やり方

1. ラダー(またはテープで作ったマス)を用意。

2. 両足を交互に動かしながら、素早く進む(10m×3回)。

☑︎ポイント

• 足元だけでなく、体全体のバランスを意識する。

• リズムよく動くことで、全身の協調性を高める。


7. メディシンボール・スロー(全身の連動性強化)

☑︎やり方

1. メディシンボール(2〜3kg)を持ち、壁に向かう。

2. 体をひねりながらボールを壁に投げる。

3. 反対側も同様に、左右交互に10回×3セット。

☑︎ポイント

• 下半身から上半身へ力を伝える意識を持つ。

• 背中や腹筋を使って投げる。


④ トレーニングを効果的にするポイント

1. 鏡や動画でフォームを確認する

• 自分の動きをチェックし、意識すべき筋肉が正しく働いているか確認する。

2. 呼吸を意識する

• 動作の「力を入れるタイミング」で息を吐き、リラックスするときに吸う。

3. 最初はゆっくり&正確に

• スピードよりも「正しく動かせているか」を最優先。

トレーニング例のまとめ

☑︎モーターコントロールを高めるためのトレーニング

1. 体幹・姿勢を整える(デッドバグ・バードドッグ)

2. 狙った筋肉を使う練習(ヒップリフト・スプリットスクワット)

3. 動きの精度を高める(ラダードリル・メディシンボールスロー)

モーターコントロールを向上させることで、トレーニング効果が最大化し、ダイエットやボディメイクの結果が出やすくなるので、ぜひ取り入れてみてください!

やってみたい種目や、もっと詳しく知りたい動きがあればぜひNINEへご来店ください!

ー執筆ー

パーソナルトレーニングジムNINE

NSCA認定パーソナルトレーナー

代表 原田拓人